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声を聞かせて j.g


 ジャイロの体にのっかって、胸にぴたりと耳をつける。どくどく鼓動の音がする。よかった。ジョニィはそのままの体勢で目をつむった。よかった。涙がでそうなほどにうれしかった。
 遺体はホット・パンツに持ち去られた。でもなぜか、脊椎の一部だけがぼくに残されていた。ホット・パンツ、敵か味方かわからない奴だ。ジャイロの国の紋章をもっていた。謎が多い。ジャイロが目を覚ましたら聞いてみなければならない。ジャイロの国のこと、黄金長方形のこと、体にどこか異変はないか、どこか、動かなかったりしていないか。
 川の中一面に血が広がって、ジャイロの手足がバラバラに浮かんでいるのを見た時、絶望と恐怖でパニックになった。体の一部を失うというのは恐ろしいことだ。この動かない両足を何度呪ったか。
 ジャイロの腕を持ち上げてみる。ちゃんとつながってる。意識がないからひどく重く感じた。よかった。これでジャイロはまた鉄球を振るえる。
 とにかくここから離れて休息をとろう。ジョニィが顔をあげるとヴァルキリーが歩み寄ってきていた。首筋を撫でてやる。本当に賢い馬だ。
 ヴァルキリーは鼻先を主人の額や頬にすり寄せている。ジャイロはうめき声をあげるが、まだ目を覚ます気配はない。こうやって見るとジャイロは意外に幼い顔をしている。睫毛が濡れて濃い色を落としてる。
 ジャイロの体を引き上げて、自分の背にもたせかけて上体を起こさせる。水を含んだ長い髪が肩に背中に落ちかかってくる。ヴァルキリーに助けてもらって馬の背に乗せた。
 この先は雪深い道程になる。少しでも体力を温存してる方がいい。
 スローダンサーにまたがって、横に並ぶヴァルキリーを見た。ジャイロ、早く目を覚ましてくれ。君の意見が聞きたい。君の声が早く聞きたいんだ。
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