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教育上問題あり p.ps.m.g.h


 阿鼻叫喚、というのか、戦々恐々、というのか。
 プロシュートが、泥酔している。
「ああ兄貴ィ〜!やっぱりおいらはチームのみんなのお荷物なんだよォォ〜ッ!」
「はっはっは、バッカだなァペッシィ!おまえのビーチボーイは最強だ、無敵のスタンドだッ!そうだろォー!?ええ!?おめーのビーチボーイならメタリカも越えられる!いいかペッシペッシィ〜ペッシィ!すべてはおめーの精神力しだいだッ!必要なのは『成長』と『覚悟』だ、わかるな!?」
「あ、あ、兄貴ィィィイ〜ッ!!!!!」
 ちなみにペッシは素面である。
 プロシュートの方は何杯飲んだのか知らないが、ほっぺたから耳から真っ赤にして、見たことない笑顔で笑っている。笑いながら、カウンター席のとなりに座るペッシの肩をバッシバシ叩き、髪の毛をつかんでグリグリと撫でまわし、そのうち畑の大根みたいにペッシの首が引っこ抜けるんじゃないかとおもうが、とにかく上機嫌の様子だ。
 メローネからおもしろいもんが見れるぜと連絡を受け、組織の息がかかった酒屋にやってきたホルマジオは、その光景を見た瞬間おもしろいというより恐ろしいという印象を受けた。
 プロシュートは普段から無愛想というわけでも強面というわけでもない。だが性格はとにかく強烈かつ苛烈だ。兄貴と呼んで慕ってくるペッシに対しても、飴と鞭というか、鞭、鞭、鞭、鞭、飴、鞭。チーム内でプロシュートに殴られたことがない奴はいない。ひとりたりとも。リーダーでさえ。
 そんな男が、まるで生まれたての赤ん坊のような全開の笑顔をみせている。怖い。正直いって、怖い。
「やぁホルマジオ。座れよ」
「ペッシおめーはよォ、男なんだッ!!わかるか!?ギャングとしての心得ってのも大事だ、だがなァペッシよォ、おめーはまず男になんなきゃならねえ!ペッシッ!一人前のギャングになりてぇなら、男になれッ!!」
「兄貴ィイイ〜!!!」
「うるせェエエエてめえら外でやってろクソがァァ〜〜!!!」
「おいおいおいおい、なんだこの惨状はよォ」
 ギアッチョがキレてカウンターテーブルを派手に蹴り付けてるのを横目に、ホルマジオは手招きしてるメローネのテーブルへ落ち着いた。メローネも酒の入ったグラス片手だが、いつもと変わらない様子で薄く笑っている。マスターに駆け付け一杯注文してから、ホルマジオは頬杖ついて騒ぎの元凶たちを見やった。
「プロシュートの奴、笑い上戸なんだぜ。おもしろいだろ」
「おもしろいより怖ぇーよ俺は」
 一体どんだけ飲んだんだと呆れてつぶやくと、メローネが指を2本立ててみせた。
「ワイン2本か?」
「スコッチ。45度の」
「そりゃあ酔うぜ」
「あの通りさ」
 もう一度酔っ払いの方へ目をやれば、いつのまにかギアッチョとプロシュートが掴み合いになっている。まったく予想通りの展開だ。
「ペッシの野郎が男だろーが女だろーがオカマだろーがどうだっていいんだよッ!!つぅーかペッシはすでに男だろーが!生まれてこの方ちゃぁんとブツを股間にぶら下げてんだろーがよォ!てめえはンなとこまで面倒みてんのかァァ〜!?」
「ああァ〜!?なんだおめーその髪は!?どっかで爆発でもあったのかよォ?あはははは」
「てめえブッ殺す!!ブッ殺したうえでもう一度ブッ殺しつくすッ!!」
「ナメた口きいてんじゃねぇぞギアッチョてめェーッ!!」
「いっけえ兄貴ィイ〜!やっちまえッ!!」
「…アイツら全員酔っ払いか?」
「ペッシは飲んでないよ。ギアッチョは軽いカクテル飲んでたぐらいかな」
「泥酔者と同じテンションでやりとりできんだからスゲーなアイツらも」
 さすがに酔ってスタンド発動などということはないだろうが、プロシュートとギアッチョなら素手でやりあっても店が半壊する。チームきっての暴君2人だ。
「つーか、メローネおまえ、俺を呼んだのってまさか」
「たよりにしてるぜ、リトルフィート」
「やっぱりかよォ〜ったく、しょうがねぇなぁ〜」
 しかしホルマジオも命は惜しい。暴君2人の間に入って半殺しにされるのはごめんだ。よってリトルフィートを使うのは最終手段として、とりあえずはメローネとともに観覧を決め込むのだった。
「ギアッチョてめぇよぉ、てめえはあれか、宗教画のなんかモデルとかか?てめぇみたいな赤ん坊の絵が教会の壁に飾ってあんの、見たことあるぜ、はははは!」
「ヤロォォ〜俺は髪の毛のことで馬鹿にされんのが一番イラつくんだよォーッ!!!」
「バッカヤローマヌケかおまえ?かわいい天使ヘアーじゃねえか、よしよししてやりたくなるぜ」
「てめぇ触んなクソッ!クソがッ!」
「ギアッチョギアッチョギアッチョよォ〜〜〜あはははは」
 プロシュートは嫌がるギアッチョの頭を両手でおさえこんで、無造作に髪をかきまぜてから、ギアッチョと自分の額をごつんと突き合わせた。いつもペッシにするように。それは甘い仕草というよりは頭突きに近い勢いではあったが。
「ギアッチョてめぇは男か?ああ?」
 鼻先すれすれの至近距離でプロシュートに迫られたギアッチョはホワイトアルバムなみに固まった。固まってから、プロシュートの胸ぐらを掴んで引き寄せ、顎におもいっきり頭突きを食らわせた。ゴッ!と鈍い音が鳴った。
「ああッ!兄貴ィイッ!?大丈夫ですかい!?」
 後ろに倒れかかったプロシュートをペッシが素早く背後から支える。これで本格的にスタンドバトル開始かと思われたが、ペッシに支えられたままプロシュートは呑気に寝てしまっていた。本当に大物である。頭突きを食らわせたギアッチョの方がなぜかうずくまってダメージを受けている。
「クソックソッ、イラつくぜプロシュートのヤロー顔だけはいいからイラつくぜッ!」
「プロシュートのアレは教育にいいのか悪いのかビミョーなとこだなァ〜」
「あんな教育受けてたら俺もスクールちゃんと通ったのに」
 とりあえずリトルフィートを使わずに済んでホルマジオとしては安泰だったが、今度はメローネが楽しげな足どりでギアッチョの方へ向かっていったから、どっちにしろこの店は半壊する運命なのかもしれない。

あとがき

ニコ動の泥酔兄貴が好きすぎて…
泣くやつがあるかァコイツゥ!
ほんとウォッカ何本あけたんですか兄貴
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