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彼によると r.p.m


 ひとからの評価ってのは重要だ。相手が職場の同僚なら、なおさら。だってそれは仕事を組むうえでの信頼に関わるし、もっと単純にいえば給料に響く。
 評価は当然、高ければ高いほどいい。だが時として、評価がまっぷたつに割れることもある。

 たとえばプロシュートは俺のことをわりとさんざんに酷評する。
「気分屋のうえに集中力がねぇ。全体的にムラが多すぎるんだよ。ノリノリの時はそこらの女も『母親』にして殺しまくるし、ぜんっぜん乗り気じゃない時は『ベイビィフェイス』までもがまったく使いモンにならねぇ、どころか暴走してこっちに危害を及ぼすしまつだ。そのくせ深く考え込みすぎるからいつも行動が一歩遅れる。遅刻も多い。カフェに入ってもなかなか注文を決めやがらねぇ。決断力の鈍さは行動力の鈍さだ。それは致命的な判断ミスにつながる。趣味趣向の偏りが異常だから誰かと組ませて仕事させられない。組んだ相手が耐えきれずに精神崩壊を起こすぜ」

 残念ながらかなり的を得ている。俺が反論すべき点はなにひとつない。プロシュートからの評価はスクールでもらう通信簿みたいに的確だ。
 それが、リゾットに言わせればこうなる。

「機転がきいて思考の柔軟性が高い。頑固に貫き通すより、その場その場の判断で動けたほうがこうゆう仕事には向いてる。物覚えも早いし、そのうえ記憶力が抜群だ。一度入ったきりの店でも、店名やメニューをよく覚えている。乗った飛行機のパイロットの名前もな。マイペースに行動しながら従うべきところにはちゃんと従えるし、『ベイビィフェイス』への教育を見ていれば忍耐強くもある。意外と教育者や講師に向いてるかもしれない。物事を深慮するから先走った行動をしない、機が熟すのを待てる。それは我慢強さだ。我慢強い人間は信頼できる」

 どうだ、このちがいは。まるで別の人を評価しているみたいじゃないか。
 正直リゾットから良い評価をもらえてるってのはありがたい。自分のチームのリーダーに信頼されないまま仕事ができるほど、俺の神経はいかれちゃいない。

 重要なのは、どちらの評価が正しいわけでも間違ってるわけでもないってことだ。まるで正反対の評価のようでいて、それらはコインの表と裏のようにぴったりと重なりあっている。
 どんな人間だって、良いふうにばかり言われていれば、つけあがって成長しなくなるし、悪いふうにばかり言われてちゃあ、卑屈になってやっぱり伸びなくなる。
 俺は俺を悪く言う人は信頼できるし、良く言う人は安心できる。
 だから二人とも必要だ。

伝言 all


 学生が使うような鈍くさいノートが置いてある。
「なんだこれ」
 プロシュートはそれをリビングのローテーブルの上で発見した。くわえ煙草でポケットに両手を突っ込んだまま、しげしげと見下ろす。
「日誌らしい」
「日誌?」
 L字型のソファでノートパソコンを膝にのせるリゾットが、画面から目を離さず「ああ」と答えてくる。
「イルーゾォが買ってきたノートにメローネとギアッチョが落書きしたのが始まりのようだが」
「阿呆じゃねーのか」
 チームの年少組(プロシュートはガキ組と呼んでいる)は時々とんでもなく幼稚なことをやらかす。女にいわせれば、男の人っていつまでたっても子供みたいなんだから!ということらしいが、奴らの場合、そんなかわいらしいモンじゃなく、ただただ無邪気にして凶悪。水をかけられたグレムリンのようなものだ。
 煙草を灰皿でつぶし、プロシュートはそのノートを手に取ってみる。パラパラめくると、まだほとんど真っ白だが、2ページ目あたりから文字が書いてあった。


○月○日 晴れ
表紙のデザインがかっこいいので思わず買ってしまった。こんなノートなにに使えばいいんだ?とりあえず日記のようなものでも書こうか。将来一冊の本にまとめて出版して金もうけできればいいが。仮題:鏡の国のイルーゾォ日記

○月○日 気温12度 湿度22% 風向き南 メローネ
思うに俺たちチームは連携がうまくとれてないんじゃあないか?
いいことを思いついた。連絡ノートをつくろう!
みんなが諸連絡を書き込んで閲覧すれば情報を有益に共有できる
おっと、いいところにダサいノートが
ちょうどいい。試しにこのノートを使ってやってみよう

○/○
なんだこのくだらねーノートは。れんらくノートだと?
バ〜カ、小学生じゃねーんだからよぉ〜
G ←うんこハゲ
   ↑だれだこれ書いたヤツ!!!!てめーかメローネ!!!!!
    ハゲてねーよクソ!!!!


「予想をはるかに上回るくだらなさだな」
 時間を無駄にしたとばかりにプロシュートはノートを放る。膝からノートパソコンを下ろしたリゾットが、それを拾い上げた。
「そうでもないぞ。連絡ノートというのは意外にいいアイデアかもしれない。たしかに俺たちは単独行動が多くて互いの動向をつかみずらいからな。それに、書いてある文章や文字を見てると、それぞれのクセや思考がわかってなかなかおもしろい」
 たとえば、という風にリゾットが指でノートに書かれた文字を示す。
「ギアッチョは話し言葉をそのまま書いてあるな。それに漢字が少ない。直情かつ直観的だ」
「馬鹿ってことだろうが」
「メローネは数値情報を気にしている。文章も流れが組み立ててある。導入部の簡潔さといい、小説書きに向いてるかもしれない」
「クソみてーなエログロ小説家になるだろうぜ」
「とりあえずイルーゾォには出版をあきらめさせなければ。組織から粛正される」
「そこの問題か?」
 至極まじめな顔でくだらない分析をしてみせるリゾットに、プロシュートは新しい煙草のシールをくるくると剥がしながら呆れてみた。一番馬鹿なのは実はこのリーダーかもしれない。
 何気なさを装って、リゾットが手にした連絡ノートを突き出してくる。なんだと目線で問うと、リゾットは口の端を上げて笑った。
「書いてみたらどうだ?」



○/○
なんだかよくわかんねーが、シャンプー買いたしにいったついでに育毛剤かってきた。洗面台においてある。好きにつかえハゲ。PROSCIUTTO

↑てめーがつかえオッサン
↑字きたねー読めねーなんてかいてあんだ?
↑ローガンじゃねーのかオッサン
↑メガネにいわれたくねーぜメガネハゲ
↑ハゲハゲいってんじゃねーハゲ!!!!

○月○日
しらねーうちにノート勝手に使われてるし勝手にケンカはじめてるし、どうなってんだこのチームの連中は?頭おかしーんじゃねーか?
今、鏡の中に入ってようやくこのノートかいてる。連絡することなんかあったかな。あ、オレがさっきトイレはいって紙なくなったから次入るヤツは気をつけたほうがいい イル

○月○日
犯人はおまえかよ まんまと紙ねーのにトイレはいっちまったぜ
なぁ〜んかしらねーがおもしろそうなノートじゃねーか
連絡ならなにかいてもいいのか?
つっても今べつになにもねーな
あ、今月エミリアがこども出産するぜ〜
ホルマジオ

てめーがはらませたのか? G
バァ〜カ、猫のはなしだ、猫 ホルマジオ

○月○日 満潮時間3:57 14:57 明日は新月 メローネ
今日でようやく任務終了。今からオフ
ひさしぶりに戻ったらノートがちゃんと使われててびっくりした
プロシュートとかに捨てられてそうだなと思ってた ←いいカンしてるな ←これ書いたのリゾット? ←あたり ←筆跡でわかった

○月○日 くもり
どうも、ペッシです。
大通りに新しい店ができてました。
オフが合えば飯食いにいきませんか。
予定日時:明後日 夜9時〜
予算:2千前後
行く人:(名前かいといてください。)
ホルマジオ メローネ
イル
G

○/○
リゾットへ
遅刻か?先いってるぜ PROSCIUTTO

○/○
すっげーうまかった ペッシのやつやるな!
オレんなかでペッシ株があがった G

○月○日
信じられるか?いまここに来るまでに雪がふった。もう春だってのに。この国はどうなってる。イル

○月○日 最高気温12度 メローネ
明日からミラノへ出張
あたらしいハードディスクは注文しといた
るす中に届いたら部屋においといてくれると助かる
ラジオの占いによると今日の最下位は乙女座

○/○
エミリアがこども産んだ!5匹も! ホルマジオ
  おめでとう
 おめでとー
    いい家庭をきずけよ
 メローネがいたらおもしろかったのにまさかの不在かよ
  あいつ前にイヌの出産みて卒倒してたぜ

○/○ きょう天気いい
いまから出なきゃなんねーんだが
だれか18じから27chのテレビとっといてくれ
G

○月○日
どうも、ペッシです。
こないだの写真、共有フォルダに入れときました。
ギアッチョへ。
DVDに焼いときました。 ←grazie

○/○ オレのプリンくったやつ誰だ イル

○月○日
予測外の事態がおこり任務予定日延長
しばらく姿くらますから何かあれば下記の番号へ
×××-××-××××
リゾット

○/○ そーゆーことは直接言え PROSCIUTTO








○月○日 16時31分 メローネ
ノートを書くのはひさしぶりだ。今戻った
みんなどうしてた?
帰ってきたばっかだけどこれからまた仕事
でも、これが終われば長いオフがまってるだろう
ひさびさに旅行にいきたい
2年前、みんなでいったシリチアの風景を、このごろよく思いだす
シチリアーノの女はイイのがいっぱいいた
海が青かったな
ホルマジオはオレとギアッチョとリゾットで埋葬した
イルーゾォと連絡がとれない
オレは今からギアッチョと出る
PCのアップデートは戻ってからやるから
勝手にさわって壊すなよ、リーダー
待っててくれるとうれしい
じゃあな

もう海になんていかない r.m


 その時メローネは濃いコーヒーが飲みたいとおもった。
 いつも篭ってる自室を出て、階段を降りたら、リビングのソファで母親が見知らぬ男の上に乗っかってアンアン鳴いていた。いつものことだ。メローネはリビングを素通りしてキッチンへ足を向ける。娼婦をやめたって母親は男を連れ込むのをやめなかったし、父親は妻の不義理を責めようとせず、ただ妻と家庭から距離をとりつづけた。そんな夫に当てつけるようにして、女はまた道ばたの男に声をかけ抱いてと乞う。いつものことだ。
 インスタントのコーヒー粉に湯だけそそいだマグカップを持ち、キッチンを出た時、メローネの耳に聞き慣れないか細い悲鳴が届いた。
 喘ぎでも絶頂でもない、女の声だった。目をやると、さっきと逆に男が母親の体に乗り上げ、両手で首を締めている。プレイの一環かとおもった。でもちがった。母親はそのまま、目をひんむいて絶命した。細い指が首を締めてくる男の腕にからまり、いくつも引っ掻き傷をつくっていたのを、メローネはよく覚えている。
 メローネはキッチンに戻って、濃いコーヒーの入ったマグを置き、かわりに果物ナイフを持った。それで、気がついたらシンクで、血に染まった真っ赤な両手を洗っていた。
 手にからみついた二人分の血は、水に薄められながら大量に流れていった。排水溝に幾筋も、長い髪が詰まる。あとから当時の新聞を読んでメローネ自身も初めて知ったことだが、男の死体は顔もわからぬメッタ刺し、女の死体はパズルのように均等に断裁され分解されていた。メローネのやったことだ。貧しいスラム街の一角で起きた、悲惨な、でもありふれた話。いつものこと。メローネは初めて人を殺した時より、その後、濃いコーヒーの入ったマグを持って階上に上がり、自分の部屋でパソコンを開いた時の方が、よほど記憶に残っている。


 海に面した街での仕事だった。メローネは波除けのコンクリートの上に立って、漫然と砂浜の白さを眺めていた。夏は観光客のあふれるビーチなんだろうが、オフシーズンの今、浜辺にはヤドカリ一匹見当たらない。でもメローネは視力がいい方じゃないから、本当にヤドカリ一匹いないかどうかはわからない。
「Excuse me」
 振り向くと、恋人同士らしき若い男女が、明るい笑顔でメローネを見ていた。
「Would you take a picture?」
「Sure」
 差し出されたカメラを手にし、メローネはレンズを観光客らしき彼らに向けた。二人は肩を寄せあい、互いの腰を抱く。女の、長くやわらかそうな髪が潮風にふくらんだ。
 一度シャッターを押して、カメラを返す。男の方が手を伸ばして、受け取った。
「Thanks」
「You're welcome」
 男が女の肩を抱いて、二人は見つめあいながら海岸沿いの道を歩いていく。メローネはその後ろ姿を見送りながら、視界にちらちらと入る自分の長い髪が邪魔だなとおもっていた。ミルクティーみたいなくすんだ金髪。母も父らしき男も髪は深いブラウンだったから、メローネのそれは隔世遺伝なのかもしれない。
 遺伝は重要だ。それが人生の半分を決める。メローネはそうおもっている。
 さっきの二人はアメリカ人だろうか。ブリティッシュイングリッシュではなかった。
「俺はもう帰るが。おまえはまだいるのか、メローネ」
「……」
 長い髪を耳にかけると、開けた視界にリゾットの姿があった。海と、空と、リゾット。普段なら笑ってしまうほど似合わない取り合わせだけど、冬の灰色がかった空と暗い海は、漆黒の暗殺者によく似合う。
「Where there is no love, there is no sense either」
「…なんだ?」
「愛なきところに良識なしって意味さ。リゾット」
 あまり英語が得意とはいえない我らのリーダーは、特別興味もなさげにフンと鼻を鳴らしただけで、きびすを返してしまう。メローネはゆっくりした足どりでその後を追った。
「裏返せば良識のないヤツは愛を与えられなかったってことになる。俺らのチームで、誰かひとりでも良識のあるヤツがいるか?残念なことに、みんなない」
「その代表がおまえだろうな」
「そうだよ。だから俺は『ベイビィ』を育てるのが上手なんだ。愛を知らない子供が育てた子供。だけど彼らは学習する。いずれ愛というものを知るかもしれない。知ったら求めるかもしれない」
「そんなのがいたのか、今までに、おまえのスタンドで?」
「ああ、マードレってなんだ、マードレに会いたいって言ってたやつはいたな」
 冷たい潮風を横殴りに受け、目の前を行くリゾットの髪がバサバサとなぶられている。リゾットの髪はしろがねに近い、鉄のようににぶい色。それはどんよりとした冬空によくなじんで、不穏な光景をつくりあげていた。切り裂けば、赤がにじみでるその不穏さ。
「スタンドを解除すれば『ベイビィ』たちは消滅する。たいていは、そんなことさえ気付かずみんな消えてくけど、中には、学習するのが早かったり、『母親』の素質によって、『死』だとか、『愛』だとかを認識するやつもいる。知ってるかい、リゾット。ひとってのは愛を知るから死を恐れる。愛を知らなければ死など恐れない。俺のスタンドにもっとも不必要なものだ…『愛』」
「たしかに良識などないほうがこの仕事には向いてる」
 その意味でおまえは100点満点だメローネ、とこちらを振り向くこともなくリゾットが言ってのけるから、メローネは唇に薄い笑みをはりつかせた。この、暗殺のために生まれたスタンドをもつ組織随一の暗殺者に、100点満点をもらうなど、誇らしい以外のなにものでもない。
 長い髪を押さえつけ、耳にかけて、メローネは目を閉じる。髪の色は、親からの遺伝じゃない。目が悪いのは、母からの遺伝だ。ブリティッシュイングリッシュは、父譲りだ。だからアメリカンコミックやアメリカ産のアニメを見るギアッチョとは、時々互いの英語を馬鹿にしあう。
 愛がなければ良識など育たない。良識とはなにかと問われたらメローネはうまく答えられないが、少なくとも良識あるひとなら、自分の母親の死体を細切れにしたりはしないんだろう。メローネはギャング仲間からも異常者と呼ばれる。そのとおりだ。メローネは、自分を正常だといいきれるほど傲慢じゃない。スタンド能力にしたって、ホルマジオやギアッチョのように、素直なものじゃない。
 顔をあげる。人通りのない海岸沿いの道に、リゾットがぽつんと立っている。どうしたという風な顏して、こっちを振り向いている。
 メローネは笑みを見せた。それからさっき以上にゆっくりと、リゾットの元へ向かう。
「どっかに寄らない?リーダー。濃いコーヒーが飲みたい」
「おまえはエスプレッソよりコーヒーをよく飲むな」
「ひとを殺したあとはとくにね。飲まないと落ち着かない。行こう」
 メローネが、自分の方を振り向いてくれる人を手に入れたのは、ここ最近だ。それまでは誰もがメローネを、怪訝な顔して通り過ぎるか、見ないふりをした。愛を与えようとしなかった。
 初めて海を見たのは、初めて人を殺した、あのあと、開いたパソコンのインターネット上で。家を出るなら海にいこうとおもったのだ。死のうとおもった。罪悪感でも後悔でもない。ひとを殺しても揺らぐことが一切ない自分を変えるには、死ぬしかなかった。
「海なんか嫌いだ」
「なぜだ?」
「潮風ってしょっぱいだろ。髪も服もべたべたになるし」
 冬の海に溶け込むリゾットがうらやましい。髪色は親の遺伝がよかった。悪い部分しか遺伝していない。

ソファと、それにまつわる人々 all


 リビングにはソファが3つある。6人掛けのL字型が1つ、1人掛けが2つ。ぎゅうっと詰めれば全員が座れるが、いい年した男たちが縮こまって肌を密着させぎゅうっと座るなんてありえない。それに彼らはギャングだ。

「あー……」
 ホルマジオはL字型ソファの片側いっぱいに体を伸ばして寝転んでいて、さっきから携帯電話をカチカチさせながらあーだのうーだのうなっている。ギアッチョがいれば3秒でキレるだろうが、今いるのはペッシだけだ。
 そのペッシは一人掛けのソファにきちんと座って、どこかで取ってきたフリーペーパーに見入っている。
「…よぉ、ペッシよぉ〜〜」
「……えっ!?なんだい、何か言った?ホルマジオ」
 ホルマジオは寝転がったまま、ペッシに向かって携帯を振った。
「どうしたらいいと思う?」
「えっなにが?」
「連絡がよぉ〜〜来ねーんだよなぁ、するってゆってたのによぉ」
「誰から?」
「昨日ナンパしたねーちゃん」
 唐突にペッシは顔を赤くして、急いで目線を手元の雑誌に戻した。それからもう一度、ちらっとソファに寝転ぶホルマジオを見る。
「街中でそんな、声かけた女の人と連絡とるなんてさ、ホルマジオ…よくねーんじゃねえのかい?」
「おいおいおいペッシよぉ!おめーはそれでもイタリア男かぁ?えぇ?」
 ホルマジオはがばりと上半身だけ起こして、ついでに灰の長くなった煙草をローテーブルの灰皿に押しつけた。
「女とのコミュニケーションは日々の潤いだぜ?街中でさっき知り合った女だって俺には等しく女だ、声かけてデートにお誘いするのが礼儀ってもんだろ」
「だってさぁ…俺たちギャングだぜ?」
「ギャングつったってひとりの男だろォーが。この世には『男』と『女』!その2種類しかいねえ、そうだろ?おめーはどっちだ?男か?女か?」
「そりゃあ男だ」
「だろ?じゃあイイ女のひとりやふたり、ナンパして落としてこい。なんだ、おめーの『兄貴』はそうゆう面倒はみてくれねーのか?」
 ホルマジオがニヤリと笑むと、ペッシは赤くなった顔を今度は青くして首が取れるんじゃないかと思うほどはげしく横に振った。
「そっ!そんなのっ!やめてくれよ、兄貴に殺されちまう」
「はぁぁぁ〜〜〜おめーなぁ…殺されちまうなんて情けねーこと言ってんなよぉ。たまには反撃してみろって、おめーの『ビーチボーイ』で」
「そんなことしたらマジでおいら死んじまうってェ!!」
「まーな……」
 本気で狼狽しているペッシを見ているとなんだか可哀相になってきて、ホルマジオは再びソファに寝転がった。携帯のメールボックスをチェックしても、新着メールはゼロ。思わずため息がでる。


「こないだ仕事の前に行った店あっただろ?カルパッチョのうまい店」
「駅前の?」
「そう。あそこにいた黒髪の女、店やめちゃったらしいんだよな。すげーイイかんじだったのに、俺らのことまるで『なによ、汚いブタ箱から這い出てきたみたいな顔しやがって』って目で見てきただろ?あれはよかったね。せっかく『ベイビィフェイス』の母親候補にいれてたのにさぁ」
「おまえの女の好みに俺が賛同するとでも思ったかよ」
 イルーゾォは立てた膝の上で思いっきり顔をしかめてメローネを見る。メローネはL字型ソファの端っこにだらりと上半身を預け、猫みたいにソファの上に体を横たえている。
 そのもう片側はホルマジオが占拠して仰向けで堂々と昼寝中。ソファから落ちたホルマジオの右手には携帯電話が握られている。イルーゾォがここに来た時からその体勢で寝ていた。一体この男はいつからここにいるのか。
 イルーゾォは借りてきた映画をみようとリビングにやってきて、一人掛けソファに立て膝して座りテレビ画面の方を向いていたわけだが、さっきからメローネがなんだかんだと話しかけてくるから、映画の内容がまったく頭に入ってこない。やっぱり鏡の中で見ればよかったと思うが、あんまり引きこもりすぎると鏡をベイビィフェイスに分解されるのでそれもよろしくない。
 テレビ画面に目を戻すと、さっき結ばれた男女がもう泣きわめいて喧嘩してる。展開早いな。
「その女優、あれだろ、ヤクのやり過ぎでトチ狂って無銭飲食したり万引きくりかえしてたやつ。いつのまに復帰してたんだ?」
「知らねー…ああもう、話しかけるなよ画面に集中できない。ちょっと黙ってて」
「ポーカーやろうぜ。おまえが勝ったら黙っててやる」
「俺は映画見てるんだよ!誰がやるか!」
 要するにメローネは暇でしかたないのだ。結果2人の攻防はキレたイルーゾォが鏡に引きこもるまで続く。


 ギアッチョが2階のフロアから降りてくると、リビングのソファでホルマジオが携帯をいじっていた。他は誰もいない。
「メローネの野郎見なかったか?」
「あー?さっき出てったぜ。キッチンじゃねぇかぁ〜?」
 ホルマジオは答えながら大きなあくびを漏らす。さっきまで寝てたからよぉ、という彼の口調がいつも以上に間延びしてるのは眠気のせいだろう。それでいて右手はカチカチと携帯電話を叩いている。忙しいことだ。
「また女かよ。昨日の晩も寝てねーとかゆうんじゃねえだろーな」
「フン、ホルマジオさんは案外モテモテなんだぜぇ?ひとり紹介してやろーか、ギアッチョ」
「ケッ金のかからねー奴ならな」
「女ってのぁ金のかかる生き物なんだよ、生まれた時からな」
 L字のソファの背に片腕をのせ、行儀悪く足を組んでホルマジオは得意げに鼻を鳴らす。さして興味もなく、ギアッチョは適当に片手を振った。
「あー猛烈に腹が減った。あの変態ヤローなんか作ってやがんねえかな」
「メローネがする料理なんてレンジでチンレベルだろォ〜」
「なんでもいいから飯が食いてぇ…」
「オイ、俺にそんな小羊のような目線を送るなよ。おごらねーぞォ」
「ケチくせぇなァァ〜〜女にばっか金使ってんじゃねーぞクソッ」
「おめーに使うよりは金も喜ぶぜ」
 ギアッチョがホルマジオにたかるのを諦めてキッチンに向かおうとした時、まさにそのキッチンのドアを開けてメローネが現れた。口のまわりにトマトソースがついている。
「その匂いは!ピザトースト食ってやがったなッ!?」
「Appunto(そのとーり)」
「まだ残ってるか!?」
「きれいさっぱり食いきったよ」
 ああ〜〜〜と悲哀に満ちた声をあげながら頭と空腹を抱え座り込んでしまったギアッチョを見下ろして、それからメローネはホルマジオの方を見た。
「なにこのかわいそうな子」
「キャットフードでも与えとけや」
 ようやく絶望からは立ち直ったらしいが空腹からは立ち直れてないギアッチョは、一人掛けのソファに斜めに座って斜めに腰をねじり斜めに首をかしげて、つまらない夜のクイズ番組を斜めに見ている。メローネはL字型のちょうど直角の部分に座り、組んで伸ばした足をローテーブルに乗せ、パソコンをいじっていた。ネットオークションで落としたいものがあるらしい。ホルマジオはL字の端に陣取ってやはり携帯電話をカチカチ鳴らしている。
 玄関につづく廊下側の扉が開く。プロシュートが入ってきた。うしろにはリゾットがいる。
「お」
「ホルマジオ、いいところにいた」
「なんだ?イイ女でもつかまえたか?それ以外の用件はお断りだぜ」
 ガバッと身を乗り出したホルマジオに、リゾットは肩をすくめてみせる。当然のようにそれ以外の用件らしい。
 さっさとリビングに入ってきたプロシュートは鍵の束とサイフとライターをソファの目の前のローテーブルに放り投げ(ガチャン!と騒々しい金属音が鳴った)、ひとまず紫煙を吐き出してから、煙草を挟んだ指をメローネとギアッチョ、それぞれに突きつける。
「とっとと散れ、おめーら。ちょっとオトナの話し合いだ」
「はァー!?今いいとこなんだよ、あのイケてないセーター着た俳優が500万の賞金を手にするかどうかっつう、重大な局面だぜ!」
「世界一どうだっていいねそんなもん。2秒数えるうちに出てけ。いいか、ウーノドゥーエはい遅ェッ!!!」
「うおおおッ!!??」
 瞬時にプロシュートの手から放たれた煙草はまるで弾丸のようなスピードでギアッチョの顔面を襲った。とっさにホワイトアルバムを発動させなければ完全に眉間に火傷だ。
「テメェェエエ早すぎだろうがッ!!数えんのもキレんのも煙草投げんのも早すぎだろうがクソがァァッ!!」
「うるせーな……」
「しかも冷めんのも早ェッ!!」
「あーあ、うっさいなぁもう、上あがってよ〜っと。リゾット、ピザ宅配するなら呼べよ」
「海鮮ピッツァでいいならな」
「エビ抜きでね」
 パソコンを閉じてメローネは早々と上のフロアへ上がってしまう。プロシュートが取り合わないのでギアッチョも渋々テレビを消して上へあがっていった。元からテレビなんぞ見ていなかったにちがいない。
 音のなくなったリビングを横切って、リゾットはL字ソファの片側に腰をおろした。深々と体をソファの背に沈ませる。お疲れのご様子だ。ホルマジオはニヤリと口の端をあげる。
「どうしたァ、またこってりしぼられたか、上の連中によぉ」
「まぁそんなところだ」
「あの老いぼれジジイどもがいるかぎりパッショーネは安泰だな。あいつら仙人かなんかじゃねぇか」
 プロシュートはローテーブルの前に立ったまま、新しい煙草を引き出してくわえる。火をつけてゆったり吸い込み、紫煙を吐き出す。煙が彼のスタンドのように体を取り巻く。
「資金面に関してなんだかんだ言われるのは慣れてるが、ああも堂々と俺らのチームの存在自体が目障りだと主張されると、反応に困る」
「はぁ〜しょおがねぇなぁ〜そりゃあ」
「よく言うぜ、てめー薄ら笑い浮かべてたぞあん時」
 ホルマジオもプロシュートから一本拝借して煙を吸い込む。プロシュートはローテーブルに腰をおろして足を組んだ。絶妙に3人ともが向かい合ってない。
「それで?このホルマジオさんに話ってぇのは?その仙人の中の誰かでも殺してこいってかぁ?」
「バカ言うな。俺の愚痴に付き合えって話だ」
「はっは、なんだそんなことかよ。俺は良心的だからよ、ビール一杯で付き合ってやるぜ?」
 ホルマジオはソファの上に立てた膝の上に手をのせ肩を揺らし笑う。その視線の先にいるリゾットもニヤッと笑みを返した。
 それからホルマジオの煙草をはさんだ指が、ローテーブルに座るプロシュートに向けられる。
「こいつはあんたの愚痴には付き合ってくれねぇのか?」
「さっき愚痴りかけたらケツ蹴り食らった」
「容赦ねぇなオイ」
「てめーの寝言なんざ聞きたくないね、マンモーニが」
「だそうだ」
 斜め上から見下す角度で煙を吐くプロシュートに、ホルマジオはやはり肩を揺らした。
「あ、兄貴ィ、リーダーも、帰ってたんですかい」
 2階フロアから降りてきたのはペッシだ。寝起きなのか、いつもはセットしてある髪がペたりと頼りなく崩れている。
「ペッシ、赤ワイン一本もってこい。トスカーナのやつ」
「俺はエスプレッソをたのむ」
「俺ビール。リゾットのおごりな」
「えええ…そんなにいっぺんに言われちゃあ覚えらんねぇですよ……ええっとぉ、トスカーナにビールに…赤のワイン…」
 指折りブツブツ唱えながらペッシはソファの後ろを横切ってキッチンへ消えていく。3人でそれをなんとなしに見送る。
「あの調子じゃあなんか忘れるか間違えるかするぜ」
「エスプレッソを忘れるのに賭ける」
「てめーがたのんだもん忘れるのに賭けんなよ、情けねえ」
 予想通りエスプレッソを忘れたペッシがプロシュートのローキックを食らう頃には、なんの匂いを嗅ぎつけてかメローネが降りてきて、ソファに敷かれたラグに座り込んでトスカーナワインを開けだした。いつのまにか鏡から出てきたイルーゾォも、ビール瓶片手に一人掛けソファに陣取っている。グラスが足りねぇツマミ買いにいけと騒がしくなってきた頃にはウルセェェエーーーーッという一番うるさい声とともにギアッチョも登場して、ラグに座り込みソファに肘ついて文句を垂れだした。プロシュートはもうひとつの一人掛けで足をぞんざいに組み、ペッシはローテーブルをのけてラグの上にグラスとツマミを広げる。ソファでなくても、全員分の居場所がここにはある。

子供の領分、大人の領分 r.p.m.g


「おい変態」
「なんだガキ」
「見てみろよ、あれ」
 助手席でノートパソコンを広げデータをいじっていたメローネは、そこでようやく顔を上げた。横の運転席でハンドルにもたれかかっているギアッチョの指し示す方向を見る。
 反対車線を挟んで向こうの通りには、見慣れた男が二人と、彼らの前に、女がひとり。
「いい体してるな。とくに二の腕のあたりの肉づきがベネ」
「どっちの女だと思うよ」
「プロシュートの好みとは思えないし、リゾットかな。どっちにしろああゆうのがタイプだったら意外だけど」
「オッサンはわりと幼女趣味が多いって聞くぜ。俺はプロシュートの野郎でもおかしくないと思うね。あいつらそんな変わんねぇだろ」
「なにが?」
「年。リゾットとプロシュートの」
「さぁ、知らないけど。年齢で女の好み決めつけるとしたら、おまえは胸も尻も出まくってるアメリカン・ガールがお好みか?ギアッチョ」
「ケッ、俺はコレクションモデルみてぇなスラッとしたのが好みだぜ」
 女は、リゾットとプロシュートの方を見ていて、こっちからは後ろ姿しかわからないが、おそらく若いだろう。ヨーロッパ人にしては背が低いが、後ろから見てもグラマラスな体つきをしている。
 ギアッチョとメローネが車中でいい加減な会話を交わしてるうちに、プロシュートがこっちに気付いた。リゾットに二、三言話して、女が引き止めようとするのを無視し、さっさと車道を渡ってきてしまう。道路交通法を軽々と破った横断っぷりに、行き交う車たちからクラクションの雨嵐だ。
「チッ、あの馬鹿」
 いつも目立つ行動はすんなとか注意してきやがるくせによォ…。ギアッチョが毒づいてるうちに、悠々と車道を渡ってきたプロシュートが後部座席に乗り込んでくる。
「チャオ」
「オイ、どっちの女だよありゃあ」
「あ?あーリゾットだ」
「マジかよ!」
「俺の勝ち。ギアッチョ、金だしな」
「オイオイオイ俺ァ金賭けるなんていってねーぞ」
「おめー俺に賭けてたのかよギアッチョ。見る目がねぇ、やっぱガキだな」
「黙ってろテメーがしゃべると無駄なエネルギー浪費すんだよクソがッ!」
 なにか蹴りたかったのだろうが運転席の足元には蹴れるものもなく、ギアッチョは仕方なしにハンドルに拳を思いきり叩きつけた。けたたましいクラクションが鳴る。
「おい。やかましいぞ。なにしてる」
 遅れて後部座席に乗り込んできたリゾットが、幾分不機嫌そうな声を放つ。見回しても周りに女の姿はない。
「なんだよリーダー、フラれたのか?せっかくあの二の腕を間近で味わいたかったのに」
「アンタがああゆうの趣味とは、意外だけどある意味納得だぜ。体のでっかい男とチビの女が腕からませて歩いてるの、よく見るもんなぁ」
「プロシュート」
「俺はなにも言ってねえ」
 知らん顔で煙草をふかすプロシュートに、ウソつけてめーがリゾットの女だっつったんだろォーがァー、往生際悪ぃぜプロ兄ィ〜、と運転席および助手席から文句が飛んでくる。
「うるせーなガキども、ほらとっとと発進しろ。リゾットの熱烈なカノジョが追っかけてきちまうだろーが」
「イッテェ!テメーその足癖の悪さどうにかしろッ!」
 プロシュートが遠慮なく後部座席からシートを蹴りつけたものだから、運転席のギアッチョはお返しとばかりに思いきりアクセルを踏み込んで急発進した。
 つんのめってシートに頭でもぶつけろと思ったのだろうが、そこは足のお行儀に定評のあるプロシュート、上げた足で運転席のシートを踏みつけ、前のめりに倒れるのを阻止。それを知ってまた苛々三割増しのギアッチョが盛大なクラクションを鳴らし、その後ろでプロシュートは鼻を鳴らしている。
 付き合いの長いリゾットや要領のいいメローネは、もはやそんなことでプロシュートにつっかかったりしないが、ギアッチョは性格上どうしても無視できないから、この二人の攻防は永遠に終わることはないんだろう。プロシュートに至っては完全にギアッチョで遊んでいる。たまに反撃にあってるが。
「熱烈なカノジョってどうゆうことだよリーダァ〜。俺らには紹介してくれないのかよ?」
「黙って前みてろ。まちがってもおまえには紹介しねえ」
「ヒュウ!カノジョってのは否定しないのか」
 シートから顔をのぞかせて嬉しそうに茶化してくるメローネに、リゾットはうんざりした顔で答え、となりのプロシュートを見る。おまえがなんとかしろという目線だったが、そんなものプロシュートが意に介するはずもなく、
「やめとけメローネ、あれはマジの相手なんだからよ。こいつの性格わかんだろ、大切な愛は、そっと守ってゆっくり育んでいこうってタイプだ。やわらなか羽毛でひなを守る親鳥みてえにな。大切な彼女を、ギャングなんて下世話な連中に突き合わすはずねーよ」
「オイ待てテメーはどうなんだテメーは?彼女と会わせてもらってんじゃねーか。人一倍下世話なくせによぉ」
「ギアッチョおめー口の聞き方には気をつけな?ハンカチもってるか?貸してやろう。今からおめーはいっぱい鼻血を噴くからな」
「車中で暴れるなよ」
「つーかギアッチョが鼻血噴くほど殴られたら運転どうすんだよ、俺二輪専門だぜ」
「ダセェ。これぐらい運転できるようにしとけ。女をデートに連れてけねぇぜ」
「やだね四輪なんて、みっつ以上足があるものは嫌いなんだ」
 スピードにのる車は都心を抜け、旧市街地へ入る。大きく視界が開け、鮮やかなスカイブルーとエメラルドグリーンにきらめく海面が踊りでてきた。南イタリアらしい白壁の通りが続く。
「あ〜〜ちくしょう、こんないい天気の日に野郎ばっかでドライブとはよォ〜〜俺の愛車も泣いてるぜぇクソッ」
「まったくだよ。リゾットが彼女連れてきてくれたら、楽しいドライブになっただろうにさ」
「一応言っておくが個人的に親密な付き合いをしている女とあんな街中で会うと思うか」
「そーだぜギアッチョ、そんなこともわかんないなんてやっぱガキだな」
「テメーも真に受けてたんじゃねーかよッ!?」
「うるせーぞガキども。次に叫んだら二人まとめて車から放り出す」
「つーか元凶はテメーだろうがオッサン!!」
「死にてぇらしいなグレイトフルデッドッ!!!」
「死ぬのはテメーだホワイトアルバムッ!!!」
「ふたりともメタリカ」
「ちょっとオイ俺も射程距離な…ブハァッ!!」

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